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弁理士試験の難易度・偏差値!6項目から格付判定

弁理士試験は「理系資格最高峰」、「文系だと絶対に無理」、「最低勉強時間が5,000時間以上必要」・・・など様々な口コミがあります。

 

数ある国家資格の中でも難易度は高いと言われていますが、実際のところどうなのか?受験生にとって難易度・偏差値は気になると思います。

 

今回は「合格率」、「受験者の偏差値」、「受験生の学習環境」、「平均勉強時間」、「受験生の口コミ」、「管理人の独自分析」の合計6項目から徹底検証していきたいと思います。

 

 

受験者数・合格者数・合格率推移

 

年度 受験者 合格率
2018年 3,587人 7.2%
2017年 3,912人 6.5%
2016年 4,211人 7.0%
2015年 4,798人 6,6%
2014年 5,599人 6,9%
2013年 6,780人 10,5%
2012年 7,231人 10,7%
2011年 7,948人 9,1%
2010年 9,152人 8,3%
2009年 9,517人 8,5%

 

以前は合格率10%を超える時もありましたが、ここ数年においては6%~7%で安定した合格率の推移になっています。

 

受験者数の推移を見ると年々減少傾向にあります。ピーク時の3分の1程度に減っているのが特徴的になります。

 

他の資格を見ると受験者数が減ると合格率が上がる傾向があるのですが、弁理士試験の場合は全くの逆ですね。上がるどころか、むしろ下がっています。これは弁理士の需要と供給の関係から弁理士資格保有者が増えすぎたので、それを抑制する動きが見られます。

 

特許・意匠に関する市場規模はある程度決まっているので、安易に人数を増やすと奪い合いになって食えない弁理士が増えますからね。今後も受験者数が減っても合格率は変わらないと推測することができます。

 

短答式・論文式・口述の合格率推移

 

年度 短答式 論文式 口述
2018年 20.1% 23.9% 97%
2017年 8.9% 24.2% 98.4%

 

合格者データ

 

※「平成30年度弁理士試験の実施状況 - 特許庁」より。

 

試験結果データ

 

項目
志願者数 3,977人
受験者数 3,587人
受験率 90.2% ※受験者数/志願者数
合格者数 260人(前年度255人)
合格率 7,2% ※合格者数/受験者数
合格者平均受験回数 3.78回(前年度4.17回)

 

そもそも、弁理士試験は受験者数が3,000人~4,000人程度と非常に少ないのが特徴的になります。

 

同等レベルの難易度である司法書士の受験者数が15,000人~20,000人、税理士の受験者数が30,000人~40,000人程度ですので、非常に受験される人が少ないことが分かります。弁理士よりも少ない資格として挙げられるのは1,500人~2,000人程度の不動産鑑定士が挙げられます。そのことから試験を検討する人自体が少なく、まだまだ知名度が低い資格と言えます。

 

最終合格までの受験回数内訳

 

()内の数値は、昨年度(2017年)の数値です。

 

受験回数 人数 割合(%)
初回 30(21) 11.5%(8.2%)
1~5回 177(163) 68.1%(63.9%)
6~10回 36(60) 13.8%(23.5%)
11~15回 16(9) 6.2%(3.5%)
16~20回 0(1) 0.0%(0.4%)
21回以上 1(1) 0.4%(0.4%)

 

弁理士試験に一発合格できる確率は約10%程度です。合格者の9割は一度は不合格になって挫折を味わっています。

 

初回合格率より受験回数6~10回の方が合格率は高いです。

 

中には21回受験してやっと合格したという強者もいます。20年以上受験勉強を続けた努力に乾杯したいですね。

 

ただ、実際に受験回数1~5回が全体の6割~7割程度を占めるので、そのくらいの時間を掛けないと合格するのは難しいです。

 

平均受験回数は約4回程度ですので、1回落ちたくらいで諦めるのではなく、2~3回不合格になるのは当たり前と思ってモチベーションを保って学習する必要があります。逆にすぐ諦めてしまう性格の人には向いていないですね。粘り強さが弁理士試験合格には欠かせません。

 

年齢別

 

年代 合格者の割合
10代 0%
20代 16,5%
30代 47,7%
40代 26,5%
50代 8,1%
60代 1,2%
70代 0%
80代 0%
平均年齢 37.6歳
最年少 20歳
最年長 63歳

 

弁理士試験には年齢制限が無いので、何歳でも誰でも受験することは可能です。

 

ですが、10代で合格する事例はほとんどなく、20代の合格者割合も少ないのが特徴的になります。

 

30代、40代の合格者比率が高いのが特徴的になります。

 

職業別

 

職種 合格者の割合
会社員 52.7%
特許事務所 31.5%
無職 7.3%
公務員 1.9%
学生 1,2%
自営業 0,4%
法律事務所 0,8%
その他 3.8%

 

合格者の約9割は仕事をしながら受験しています。そのことから「受験者の学習環境」としてはそれほど良好とは言えないでしょう。

 

ほとんどの受験生は1日の中心が仕事ですので、1日の勉強時間も5時間未満であるケースが多いのが特徴的になります。

 

そのことから勉強効率を高めることが試験突破で重要になるでしょう。独学ではなく、予備校活用が絶対におすすめですね。さらに言うと働きながらの場合ですと通学よりも通信教育の方が良いです。仕事終わりに通うのは大変ですし、通信講座であればスマホ・タブレットなどでも学習することができるので、スキマ時間を勉強に充てることが可能です。

 

男女別

 

性別 合格者の割合
男性 74.2%
女性 25.8%

 

一見すると男性割合が多いような印象を受けますが、他の難関資格に比べると女性比率は高いです。

 

また、近年においては弁理士試験の女性割合は上昇傾向にあります。男性割合が多いのは男性が有利という訳ではありません。

 

弁理士試験は男女問わず平等にチャンスがありますし、合格率においては女性の方が高い年度もあります。

 

出身学部

 

出身校系統別 合格者の割合
理工系 82.3%
法文系 12.7%
その他 5.0%

 

理系職種の受験生が中心になっているので、理工系の学部出身者が圧倒的に多いのが特徴的になります。

 

ただ、問題を解いてみると分かりますが、理系ではなく文系でも対応できます。

 

もちろん、理系の方が多少は有利ですが、文系と比べて大きく変わると言えばそうではありません。文系だからと言って弁理士資格を諦める必要は一切ありません。

 

出身大学別の合格者数/合格率ランキング

 

※()は前年度の順位

 

2018年度試験合格者数ランキング

 

順位 大学名 合格者数
1位(1位) 東京大学 36人
2位(3位) 京都大学 29人
3位(2位) 大阪大学 16人
4位(5位) 慶應義塾大学 11人
4位(圏外) 北海道大学 11人
6位(4位) 東京工業大学 10人
7位(7位) 早稲田大学 9人
8位(圏外) 横浜国立大学 6人
8位(10位) 筑波大学 6人
8位(7位) 東北大学 6人
8位(5位) 東京理科大学 6人

 

毎年の出身大学別の合格者数ランキングの常連は大体一緒です。

 

上位には東京大学、京都大学、大阪大学など偏差値の高い国立大学が占めています。

 

私立組では慶應義塾大学、早稲田大学出身者の合格者が多いのが特徴的になります。

 

2018年度試験合格率ランキング

 

順位 出身大学 志願者数 合格者数 合格率
1位 北海道大学 73人 11人 15.1%
2位 東京大学 245人 36人 14.7%
3位 京都大学 209人 29人 13.9%
4位 千葉大学 30人 4人 13.3%
5位 横浜国立大学 46人 6人 13.0%
6位 名古屋工業大学 42人 5人 11.9%
7位 東京農工大学 38人 4人 10.5%
8位 大阪大学 155人 16人 10.3%
9位 慶應義塾大学 112人 11人 9.8%
10位 神戸大学 53人 5人 9.4%
11位 筑波大学 65人 6人 9.4%
12位 広島大学 34人 3人 8.8%
12位 明治大学 57人 5人 8.8%
14位 上智大学 41人 3人 7.3%
15位 東京工業大学 143人 10人 7.0%
16位 同志社大学 63人 4人 6.3%
17位 早稲田大学 149人 9人 6.0%
18位 名古屋大学 73人 4人 5.5%
19位 東北大学 124人 6人 4.8%
20位 東京理科大学 150人 6人 4.0%
21位 中央大学 103人 3人 2.9%

 

東京大学や京都大学出身者でも100名受験して合格できるのは15人以下であることから、弁理士試験の圧倒的な難易度の高さが伺えますね。理系の名門である東京理科大学出身者でも僅か4%の合格率になります。

 

ただ、合格率ランキングについてはそもそも受験者数が少ないので、上位が年度によって大きく変動する傾向がありますので注意してください。
どちらかと言えば合格者ランキングの方が参考指標になります。

 

2017年度試験合格者数ランキング

 

順位 大学名 合格者数
1位 東京大学 34人
2位 大阪大学 17人
3位 京都大学 16人
4位 東京工業大学 14人
5位 慶應義塾大学 12人
5位 東京理科大学 12人
7位 東北大学 11人
7位 早稲田大学 11人
9位 中央大学 7人
10位 筑波大学 6人
10位 名古屋大学 6人

 

2017年度試験合格率ランキング

 

順位 出身大学 志願者数 合格者数 合格率
1位 東京大学 281人 34人 12.1%
2位 慶應義塾大学 124人 12人 9.7%
3位 神戸大学 52人 5人 9.6%
4位 大阪大学 180人 17人 9.4%
5位 九州大学 44人 4人 9.1%
6位 東京工業大学 165人 14人 8.5%
7位 筑波大学 73人 6人 8.2%
8位 立命館大学 50人 4人 8.0%
9位 東北大学 142人 11人 7.7%
10位 東京理科大学 166人 12人 7.2%
11位 京都大学 225人 16人 7.1%
12位 名古屋大学 85人 6人 7.1%
13位 早稲田大学 162人 11人 6.8%
14位 中央大学 109人 7人 6.4%
15位 関西大学 55人 3人 5.5%
16位 明治大学 64人 3人 4.7%
17位 横浜国立大学 58人 2人 3.4%
18位 大阪工業大学 63人 2人 3.2%
19位 同志社大学 70人 2人 2.9%
20位 日本大学 117人 3人 2.6%
21位 北海道大学 78人 2人 2.6%

 

科目別の難易度&勉強時間ランキング

 

※難易度ランクはS~Dに分類にしています。
※S=凄く難しい、A=難しい、B=普通、C=易しい、D=凄く易しい

 

必須科目

 

順位 科目 勉強時間 難易度
1位 特許法・実用新案法 1,200時間 S
2位 意匠法 800時間 A
3位 商標法 800時間 A
4位 条約 200時間 C
5位 不正競争防止法 200時間 C
6位 著作権法 200時間 C

 

弁理士試験は主要4科目と言われている特許法・実用新案法、意匠法、商標法の難易度が高いのが特徴的になります。

 

一番、勉強時間が掛かるのが特許法・実用新案法ですね。こちらについては目安の勉強時間は1,200時間程度になりますし、問題も難しいのでSランク判定とさせてもらいました。意匠法、商標法についても難しいのですが、1~2段階難易度は下がります。

 

主要4科目以外の条約、不正競争防止法、著作権法については油断ではできませんが、それほど難しい訳ではないですし、短期間で対策することも可能です。

 

選択科目

 

順位 科目 勉強時間 難易度
1位 法律(弁理士の業務に関する法律) 500時間 B
2位 理工Ⅱ(数学・物理) 250時間 C
3位 理工Ⅰ(機械・応用力学) 250時間 C
4位 理工Ⅲ(化学) 250時間 C
5位 理工Ⅴ(情報) 200時間 C
6位 理工Ⅳ(生物) 200時間 C

 

基本的に各科目Cランク程度ですので、それほど難しくはありません。

 

ほとんどの受験者は選択科目免除者に該当しているので、実際には受験される人数は少ないです。

 

選択科目免除者に該当しないのであれば自分の一番得意な科目を選択すると良いでしょう。

 

特にないのであれば理工Ⅳ(生物)が初心者でも勉強しやすいのでおすすめです。法律に関する知識が無いのであれば法律(弁理士の業務に関する法律)は避けたいところです。民法は出題範囲が広いので対応するの時間が掛かります。

 

合格者の平均勉強時間/期間の目安

 

予備校利用の場合

 

3,000時間/2~3年

 

独学の場合

 

5,000時間/4~6年

 

当然ですが、勉強方法によって必要になる勉強時間は異なります。

 

弁理士試験の最低勉強時間は2,000時間以上です。これより短い時間で合格するのは非常に困難です。

 

予備校・独学問わずに合格までに5,000時間~6,000時間掛かることも珍しくはありません。

 

予備校であれば3,000時間、独学であれば5,000時間を目標に学習スケジュールを作成すると良いでしょう。

 

弁理士VS他資格と難易度比較

 

78 司法試験
77 予備試験
70 公認会計士
69 不動産鑑定士
68 弁理士
67 司法書士
66 税理士/アクチュアリー
60 土地家屋調査士/一級建築士/技術士/電気主任技術者一種
59 中小企業診断士/電気主任技術者二種
58 薬剤師
57 社会保険労務士/測量士
56 行政書士/二級建築士/測量士補/応用情報技術者/看護師
55 マンション管理士/電気主任技術者三種
54 宅建士/基本情報技術者
50 ITパスポート試験

 

 

 

弁理士の難易度と同等レベルなのは不動産鑑定士、司法書士、アクチュアリーです。1段階難しいのが公認会計士、1段階難易度が下がるのが税理士というイメージです。

 

弁理士試験は選択科目免除制度がありますので、それを狙うのであれば情報処理技術者がおすすめです。元々薬剤師の資格を持っている方も毎年一定数受験されています。技術士、一級建築士、電気主任技術者で狙うのは得策ではありません。司法試験、司法書士、行政書士についても試験範囲がほとんど被らないのでおすすめできません。

 

弁理士の難易度を総合判定!

 

※Sランク~Fランクで分けています。Sランクが最難関です。

 

項目 難易度判定
合格率 A評価
受験生の偏差値 S評価
受験生の学習環境 B評価
平均勉強時間 A評価
受験者の口コミ A評価
管理人分析 A評価
総合判定 偏差値68(A評価)

 

合格率は10%以下で推移されていますので、文句なしのAランクです。

 

受験生の偏差値については東京大学、京都大学など上位国立大学出身者が多いのでSランク判定にしました。数ある国家資格の受験生の中でも受験者1人一人のレベルは高いと言えるでしょう。高卒・中卒でも受験可能ですが、合格事例は本当に少ないです。

 

偏差値の高い大学卒・大学院卒が受験生に中心になっています。

 

受験生の学習環境としては現役学生率が少なく、30代~40代のエリートサラリーマンの受験生が多いのが特徴的になります。

 

働きながら勉強されている方がほとんどで、試験に専念できないという環境を考えるとBランクが妥当ですね。

 

平均勉強時間は司法書士、不動産鑑定士と同等程度ですので、A判定。

 

弁理士試験は合格者が少ないので試験に関する口コミが少ないのが特徴的になります。受験者の口コミはA判定、管理人分析もA判定にしました。よって総合判定は偏差値68(A評価)とさせて頂きました。

 

 

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