不動産鑑定士試験の難易度・偏差値まとめ!他資格と比較
不動産鑑定士の難易度は「司法試験・公認会計士・国家総合職に匹敵する」、「不動産系資格最高峰」など高い評価の声を聞く一方で「近年の難易度は低下している」、「合格しやすい試験になった」など難易度の低下を指摘する口コミもあります。
今回は「合格率」、「受験者の偏差値・学歴」、「平均勉強時間」、「受験生の学習環境」、「受験者の口コミ」、「管理人の分析」など様々な項目から不動産鑑定士の根拠のある難易度・偏差値を算出してみました。
なお、司法試験、公認会計士、弁理士、司法書士、税理士、土地家屋調査士など他の士業系資格との比較もしています。
受験者数・合格者数・合格率推移
短答式試験の合格率推移
年度 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
2018年 | 1,751人 | 584人 | 33.4% |
2017年 | 1,613人 | 524人 | 32.5% |
2016年 | 1,568人 | 511人 | 32.6% |
2015年 | 1,473人 | 451人 | 30.6% |
2014年 | 1,527人 | 461人 | 30.2% |
2013年 | 1,827人 | 532人 | 29.1% |
2012年 | 2,003人 | 616人 | 30.8% |
2011年 | 2,171人 | 601人 | 27.7% |
2010年 | 2,600人 | 705人 | 27.1% |
2009年 | 2,835人 | 752人 | 26.5% |
以前は短答式試験は4人に1人合格できる試験と言われていましたが、最近では3人に1人合格できる水準になってきています。
合格率推移を見ると2014年以降は安定して30%以上の合格率推移になっています。その背景には受験者数の減少が挙げられます。
論文式試験の合格率推移
年度 | 受験者 | 合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
2018年 | 789人 | 117人 | 14.8% |
2017年 | 733人 | 106人 | 14.5% |
2016年 | 708人 | 103人 | 14.5% |
2015年 | 706人 | 100人 | 14.2% |
2014年 | 745人 | 84人 | 11.3% |
2013年 | 812人 | 98人 | 12.1% |
2012年 | 910人 | 104人 | 11.4% |
2011年 | 1,038人 | 117人 | 11.3% |
2010年 | 1,130人 | 106人 | 9.4% |
2009年 | 1,230人 | 124人 | 10.1% |
2010年くらいまでは年度によっては10%を下回るケースもありましたが、2015年以降は安定して14%台の合格率をキープしています。
数年後には15%~18%程度に合格率高く推移するのではないか?と予想することができます。
最終合格率推移(短答式×論文式)
年度 | 受験者 | 最終合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
2018年 | 1,751人 | 117人 | 6.7% |
2017年 | 1,613人 | 106人 | 6.6% |
2016年 | 1,568人 | 103人 | 6.6% |
2015年 | 1,473人 | 100人 | 6.8% |
2014年 | 1,527人 | 84人 | 5.5% |
2013年 | 1,827人 | 98人 | 5.4% |
2012年 | 2,003人 | 104人 | 5.2% |
2011年 | 2,171人 | 117人 | 5.4% |
2010年 | 2,600人 | 106人 | 4.1% |
2009年 | 2,835人 | 124人 | 4.4% |
2009年~2010年は4%台、2011年~2014年は5%台、2015年~2018年は6%台と最終合格率は増加傾向にあります。
噂通り、不動産鑑定士試験は合格率ベースに考えると以前に比べると「合格しやすくなった」と言えるでしょう。
但し、資格の難易度・偏差値は単純に合格率だけで測れるものではありません。最後まで判定結果をお楽しみください。
年齢別の合格率
※2018年度試験のデータです。
短答式試験
年代 | 受験者 | 最終合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
30歳未満 | 365人 | 148人 | 40.5% |
30歳以上35歳未満 | 296人 | 108人 | 36.5% |
35歳以上40歳未満 | 256人 | 91人 | 35.5% |
40歳以上45歳未満 | 209人 | 74人 | 35.4% |
45歳以上50歳未満 | 203人 | 58人 | 28.6% |
50歳以上55歳未満 | 154人 | 43人 | 27.9% |
55歳以上60歳未満 | 133人 | 33人 | 24.8% |
60歳以上 | 135人 | 29人 | 21.5% |
~29歳までの合格率は約40%ですので、半分近くが合格しています。それを考えると不動産鑑定士試験は圧倒的に若い方が有利な試験であることが分かります。半分近い受験生が合格していることを考えると29歳まではチャンスですね。
30歳~44歳までの合格率は35%前後と横ばいになります。
45歳以上になると一気に下がり、30%以下になります。全体的に言えるのは年齢が上がるにつれて合格率は例外なく低くなる傾向があるという点になります。60歳以上になると短答式の合格率は20%程度まで下がります。60歳以上と29歳以下では2倍近い差があります。
論文式試験
年代 | 受験者 | 最終合格者 | 合格率 |
---|---|---|---|
30歳未満 | 138人 | 37人 | 26.8% |
30歳以上35歳未満 | 142人 | 26人 | 18.3% |
35歳以上40歳未満 | 131人 | 18人 | 13.7% |
40歳以上45歳未満 | 105人 | 12人 | 11.4% |
45歳以上50歳未満 | 87人 | 11人 | 12.6% |
50歳以上55歳未満 | 73人 | 4人 | 5.5% |
55歳以上60歳未満 | 59人 | 5人 | 8.5% |
60歳以上 | 54人 | 4人 | 7.4% |
短答式試験についても年齢によって合格率に大きな開きがありましたが、論文式試験はそれ以上・・・。
論文式も一番合格率が高いのは29歳以下の受験生という結果になりました。30歳~34歳になると7%程度低くなり、35歳~49歳になると29歳以下の受験生の合格率に比べて2分の1くらいになります。50歳以上になると5%程度まで下がります。
上記の年齢別合格者データから分析すると29歳までの不動産鑑定士試験にチャレンジするのがベストです。遅くても49歳までに試験を突破しておきたいところです。全体的に言えるのは高齢者になってから勉強するのには少々問題の難易度が高いです。
50歳以上の受験生も諦める必要はないのですが、予備校を利用するなど理解力をアップするための工夫をすることが大切になります。
中高年者は正直言って独学で合格するのは難しいと言えるでしょう。
最終合格者の年齢データ
平均年齢 | 最高齢 | 最年少 | 男女比 |
---|---|---|---|
35.8歳 | 68歳 | 19歳 | 男性91%、女性9% |
不動産鑑定士試験は年齢制限は特にありません。
なので、10代の中学生・高校生でも理論上では合格可能です。2018年度の場合ですと19歳が最年少です。大学1年生~2年生ですね。現役大学生で不動産鑑定士試験に合格されている方も結構います。
また、定年退職後に取得を目指して合格されている方もいます。年度によっては70歳以上の受験生で合格している事例もあります。
男女比率については男性9割、女性1割になりますので、男性が圧倒的に多いのが特徴的になります。
出身大学別の合格者数ランキング
※平成14年度試験のデータです。()は前年度の合格者数。
順位 | 大学名 | 合格者数 |
---|---|---|
1位 | 早稲田大学 | 35名(31名) |
2位 | 慶應義塾大学 | 29名(33名) |
3位 | 中央大学 | 17名(26名) |
4位 | 同志社大学 | 15名(12名) |
5位 | 立命館大学 | 15名(9名) |
6位 | 明治大学 | 13名(23名) |
7位 | 日本大学 | 13名(17名) |
8位 | 東京大学 | 12名(6名) |
9位 | 法政大学 | 11名(8名) |
9位 | 専修大学 | 11名(6名) |
不動産鑑定士試験は学歴不問ですが、高卒・中卒者の合格者は3%以下と言われています。
高卒・中卒者でも合格できる可能性はありますが、相当な努力と工夫が必要になります。
不動産鑑定士試験は大卒・院卒者の合格者の割合が圧倒的に多いです。
国立大学の比率は少ないのですが、早稲田大学・慶應大学・中央大学といった上位私立組の合格者が多いのが特徴的になります。
早慶+中央大学で不動産鑑定士試験最終合格者の4人に1人にあたる約25%程度を占めています。
早慶以外においても関関同立、MARCH、日東駒専レベルの偏差値の大学出身者でも合格している方が結構います。
全体的に高学歴の合格者が多いのですが、
超難関資格である国家総合職、司法試験、公認会計士、弁理士に比べると合格者の学歴偏差値は低いと言えます。
税理士、司法書士、一級建築士、中小企業診断士、社会保険労務士、行政書士、宅建士などに比べると学歴偏差値は高いです。
科目別の難易度
※Sランク~Fランクで分けています。Sランクが最難関です。
短答式科目
行政法規 | 鑑定理論 |
---|---|
C | B |
択一式40問/2時間/配点100点になります。総合点で概ね7割が合格基準点になります。(各試験科目ごとに一定の得点が必要)
短答式試験は3割程度が合格することができますが、決して油断できません。行政法規についてはそれほど攻略に時間は掛からないのですが、鑑定理論はBランクの難易度格付けにさせてもらいました。
勉強時間の目安としては行政法規300時間+鑑定理論500時間くらいです。
論文式科目
民法 | 経済学 | 会計学 | 鑑定理論(論文) | 鑑定理論(演習) |
---|---|---|---|---|
C | B | B | S | B |
不動産鑑定士の最難関科目と言われているのが論文式試験の鑑定理論です。
鑑定理論の科目だけで2000時間以上勉強している合格者もいるくらい難しいです。鑑定理論(論文)については最高難易度のSランクの格付けをさせてもらいました。
民法、経済学、会計学については各300時間~400時間くらいが攻略の目安になります。既にある程度の学習経験がある方であれば100時間~200時間で攻略することも可能です。
合格者の平均勉強時間/期間
4,000時間/2年~3年
不動産鑑定士試験の受験生は既に宅建士、マンション管理士、土地家屋調査士など他の不動産系資格を保有しているケースがありますが、ハッキリ言って難易度は別物です。勉強時間全体の7割以上を占めるのが「鑑定理論」です。
鑑定理論だけで2,000~3,000時間掛かるケースも珍しくはありません。
1年一発合格をする受験生もいますが、現実的には2年~3年掛けて合格を目指すのが理想的です。
不動産鑑定士VS他資格と難易度比較
78 | 司法試験 |
---|---|
77 | 予備試験 |
70 | 公認会計士 |
69 | 不動産鑑定士 |
68 | 弁理士 |
67 | 司法書士 |
66 | 税理士 |
60 | 土地家屋調査士/一級建築士 |
59 | 中小企業診断士 |
57 | 社会保険労務士/測量士 |
56 | 行政書士/二級建築士/測量士補 |
55 | マンション管理士 |
54 | 宅建士 |
不動産鑑定士と同等程度の難易度と言われているのが予備試験、公認会計士、司法書士、弁理士、税理士になります。
国家資格最難関の司法試験に比べると2段階くらい難易度が劣ります。人気資格である一級建築士、土地家屋調査士、行政書士、社会保険労務士、中小企業診断士に比べると圧倒的に難しい試験と言えます。
他資格と難易度を比較すると不動産鑑定士試験を上回るのは数えるくらいです。最難関の国家資格と考えて良いでしょう。
不動産鑑定士の難易度を総合判定!
※Sランク~Fランクで分けています。Sランクが最難関です。
項目 | 難易度判定 |
---|---|
合格率 | S評価 |
受験生の偏差値 | S評価 |
受験生の学習環境 | B評価 |
平均勉強時間 | A評価 |
受験者の口コミ | A評価 |
管理人分析 | A評価 |
総合判定 | 偏差値69(A評価) |
Aランク資格の中では最上位の難易度になります。まず合格率については例年5%~6%と文句なしのSランク評価になります。
不動産鑑定士に匹敵する合格率の低い資格は少ないので妥当な難易度評価と言えるでしょう。
受験生の偏差値についてはAランクとSランクで正直悩みました。理由は早稲田・慶應など上位私立大学の受験生は確かに多いのですが、
東京大学、京都大学をはじめとすると上位国立大学の受験生は司法試験・国家総合職試験を目指す傾向がありますので、不動産鑑定士試験を受験される人は少ないのです。
受験生の偏差値についてはSランクの中では下位と評価しています。
受験生の学習環境については社会人で働きながらの受験生が多いのでB評価にしました。実際に1日平均2~3時間程度しか確保できない人は結構多いです。
合格までの勉強期間についても早くても2年~3年かかりますし、それ以上の期間が必要になるケースも珍しくはないので、A評価にしました。
その他、受験生の2chなどインターネットの口コミ、管理人独自の分析によって総合偏差値判定は69(A評価)と格付けしました。