宅建士の勉強時間~科目別難易度で検証!

宅建士(宅地建物取引士)は毎年20万名程度が受験する人気資格です。

 

不動産業界で働く方であれば必須と言われている資格ですし、勉強することで仕事上役立つ知識を身に着けることも可能です。

 

また、不動産業界以外の方でも民法など一般の人たちの生活に密接する法律知識が問われますので、専業主婦・学生・他業種など様々な方が受験しています。今後、更なる難関資格取得を目指している方にとって「法律登竜門資格」の位置づけと言えるでしょう。

 

さて、今回は宅建士試験に合格するために必要な勉強時間を徹底検証していきたいと思います。

 

科目別の難易度・勉強時間、合格率推移など様々な根拠から解説しています。

 

 

合格者の平均勉強時間/期間目安

 

宅建の勉強時間は学習環境によって大きく変わってきます。

 

例えば既に民法など法律知識が豊富にある方と全くの初心者では勉強期間は当然変わってきます。

 

更に大きいのは予備校で勉強するか、独学で勉強するか、で生まれる学習効率の差です。

 

独学でも合格することは可能ですし、毎年多くの方が自力で試験に突破しています。しかし、短期合格を目指すとなると、予備校が有利になると言えるでしょう。

 

予備校利用の場合

 

最短100時間/1ヶ月~2ヶ月
平均300時間/4ヶ月~6ヶ月(半年)

 

宅地建物取引士試験の最短合格期間は1ヶ月程度です。

 

但し、法律初心者で100時間1ヶ月で合格するのは不可能です。

 

既に民法に関する知識が豊富にある方、十分なレベルの法律経験者であれば1ヶ月~2ヶ月での合格も可能性はあります。

 

一般的には予備校を利用しても短期で3ヶ月~4ヶ月間の学習期間は必要になりますし、一発合格を目指すのであれば半年前から対策をスタートするのが望ましいです。

 

独学の場合

 

最短200時間/2ヶ月~3ヶ月
平均500時間/6ヶ月~8ヶ月

 

宅建士は独学でも合格できるの?と疑問を持っていると思いますが、十分に可能です。

 

予備校に通った方が効率的ではありますが、テキストを読んだ時にスムーズに理解できるのであれば独学でOKです。

 

ちょっと理解するのが難しいな~と思ってから予備校を利用しても遅くはありません。

 

最短レベルですと、2ヶ月での合格が独学での勉強の目安になります。但し、2ヶ月~3ヶ月で合格されている方は毎日6時間~8時間くらいは最低でも勉強している人が多いです。

 

働きながらで1日2時間程度しか勉強できないのであれば半年~1年を目安にすると良いでしょう。

 

 

 

 

科目別の難易度・勉強時間ランキング

 

※難易度ランクはS~Dに分類にしています。
※S=凄く難しい、A=難しい、B=普通、C=易しい、D=凄く易しい

 

順位 科目 配点/問題数 勉強時間 難易度
1位 権利関係 14点/14問 200時間 B
2位 宅建業法 20点/20問 150時間 C
3位 法令上の制限 8点/8問 100時間 C
4位 税その他 8点/8問 50時間 C

 

宅建士の合格点(ボーダー)について

 

30点~37点

 

宅建士試験の出題数は50問です。合格点は年度によってバラバラですので、30点で合格できる時もあれば35点取っても不合格になることもあります。

 

その時の宅地建物取引士試験の問題難易度によってボーダーラインは異なりますので、終わってみないことには誰にも分かりません。過去の試験データを見ると上位15%に入れば概ね合格することができます。15%~18%に合格率が定まるように合格点が決められていると推測できます。

 

得点というよりも上位15%に入ることを意識するといいでしょう。

 

例えば模擬試験で36点を取ったとしても上位20%だと不合格ラインですし、仮に30点でも上位15%に入れば合格ラインと言えます。

 

但し、学習スケジュールを作成する上で科目別に目標とする点数を決めるのは重要になります。

 

続いては各科目の勉強方法と目標点数について解説していきたいと思います。

 

権利関係

 

出題範囲:民法(10問)、借地借家法(2問)、区分所有法(1問)、不動産登記法(1問)
目標点数:10点/14点

 

権利関係=民法(意思表示、代理、賃貸借、抵当権、相続)と言っても過言ではないでしょう。14問中10問が民法になります。

 

宅建の科目の中で最難関と言われているのが民法です。満点を狙うと民法だけで500時間以上掛かりますので、的を絞って勉強をして6割~7割得点を目指すのが効率的です。

 

民法は私たちの生活と関連性がありますので、面白いと感じる受験生がいる一方で勉強するのが苦痛と捉える方もいます。

 

難しい理由の1つとして挙げられるのは暗記だけでは対応しにくい点にあります。理解を中心とする勉強が重要になりますので、民法は独学の受験生で一番躓きやすい科目になります。法律初心者の場合ですと最低でも100時間以上は勉強する必要がありますので、一番最初に取り組むのがベストと言えます。

 

借地借家法、区分所有法、不動産登記法はそれほど難しくはないので、的を絞って勉強をしても満点近い得点(3点~4点)を取ることも可能です。

 

宅建業法

 

出題範囲:宅建業法(19問)、住宅瑕疵担保履行法(1問)
目標点数:18点/20点

 

重要事項の説明・37条書面など宅建士として働く上で必要な知識が問われます。不動産関連の会社で働いている方は直接役立ちますし、イメージしやすいと思います。

 

試験科目の中で最も得点比率が高く、得点を取りやすいのが宅建業法です。問題の難易度は低いのですが、出題範囲が広く、問題数が多いことから勉強時間は掛かります。権利関係が苦手の方は宅建業法で挽回することをおすすめします。

 

暗記で問題を解くことができますので、合格者の口コミで「簡単だった。」との意見は結構多いです。しかし、宅建業法で高得点を取れないと厳しい状況に追い込まれますので、最低でも8割、できれば9割の得点を目指したいところです。

 

法令上の制限

 

出題範囲:都市計画法(2問)、建築基準法(2問)、国土利用計画法(1問)、農地法(1問)、宅地造成等規制法(1問)、土地区画整理法(1問)
目標点数:6点/8点

 

暗記が中心の問題になりますので、スムーズに学習しやすい科目と言えます。過去問を徹底的に繰り返し解くことで知識が定着します。

 

安易に満点を狙おうとすると時間が掛かりますので、頻出分野に的を絞るのが望ましいと言えます。

 

税その他

 

出題範囲:国税(1問)、地方税(1問)、不動産鑑定評価基準・地価公示法(1問)、住宅金融支援機構(1問)、景品表示法(公正競争規約)(1問)、統計(1問)、土地、建物(1問)
目標点数:5点/8点

 

問題自体は理解しやすいのですが、出題範囲が広いのが特徴的になります。統計、土地・建物、国税、地方税は得点を取りやすいのでシッカリと学習しておきましょう。税その他科目が苦手な方でも得点比率の低いので合格することは可能です。

 

最低5点を目標に取り組むといいでしょう。

 

法令上の制限、税その他の比重が大きくなって、権利関係・宅建業法が疎かにならないように注意が必要になります。

 

受験者・合格者・合格率推移

 

年度 受験者数 合格者数 合格率
2018年 213,993人 33,360人 15.6%
2017年 209,354人 32,644人 15.6%
2016年 198,463人 30,589人 15.4%
2015年 194,926人 30,028人 15.4%
2014年 192,029人 33,670人 17.5%
2013年 186,304人 28,470人 15.3%
2012年 191,169人 32,000人 16.7%
2011年 188,572人 30,391人 16.1%

 

過去の試験データ推移です。合格率は概ね15%~17%で安定した推移になっています。

 

受験者数いついては若干増加傾向にあると見られます。受験者数は約20万人と様々な資格試験の中でもトップクラスの規模になります。

 

 

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