【2024年】特別区の難易度・就職偏差値を判定
東京都で働く公務員は、「東京都(都庁)」のほかに「特別23区」の区役所や区内の出張所などがあります。東京は足立区 荒川区 板橋区 江戸川区 大田区 葛飾区 北区 江東区 品川区 渋谷区 新宿区 杉並区 墨田区 世田谷区 台東区 中央区 千代田区 豊島区 中野区 練馬区 文京区 港区 目黒区の23区に構成され、これらの地域は市町村と同じような権限があり基礎自治体とも呼ばれています。
特別区の試験は、Ⅰ類、Ⅲ類、経験者の3つがあり、その中でも希望する職種で分類され、採用者が多い試験はⅠ類(事務)次いでⅢ類(事務)になります。ここでは、特別区採用試験の学歴、職種別の偏差値、難易度、合格倍率、必要な勉強時間などまとめていますので参考にして下さいね。また、他の公務員試験や民間就職で迷われている方も比較としてご覧ください。
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特別区(東京23区)採用試験の難易度・偏差値
Ⅰ類採用試験【一般方式】
Aランク/偏差値65
Ⅰ類採用試験(行政)の難易度は、都庁や国家一般職(各省庁)よりか下で、上位県庁(横浜市、神戸市、名古屋市、京都市)などと同レベルと考えられます。そして、試験は高い知識が必要になる専門知識の試験が課せられますので、学力がある人もしっかり対策を立てる必要があり、倍率も平均6倍を推移していますので最終合格するには難しい公務員試験になります。
そこで、合格者の出身大は、中堅の関関同立、地方国立レベルで、上位国立・早慶大出身者もいます。大学偏差値でいうと60~65あれば合格できるレベルになります。また、理系学部出身者は技術系試験に有利で、行政職と比べると試験内容は易しく、倍率についても低いので合格しやすくなっています。
試験勉強時間/期間
1000時間 / 1年間
大卒程度の公務員試験合格に必要な勉強時間は、およそ1000時間と言われています。そして、特別区についても教養、専門試験が課せられていますので、行政、技術どちらにしても、十分に対策するには、1年前からの学習スタートが望ましいと思われます。
一般的に大学3年の春ぐらいから試験勉強する人が多いですが、学生を含め、既卒者、社会人など学業や仕事と両立して勉強しなければならない受験生は、1年半もしくは2年前から計画的に学習スケジュールをたてるなどして早めの対策をとると良いでしょう。
I 類採用試験【土木・建築新方式】
Bランク/偏差値60
新方式の難易度は一般方式と比べて易しく、倍率は若干、新方式のほうが高いですが、最終合格しやすくなっています。土木、建築を大学で専攻していた方は、一次試験自体はそれほど難しく感じることはないと思われます。
そして、合格者のなかには、帝京大、東海大、専修大学、日大、駒沢大、法政大、明治大など出身としている方がいます。また、他の公務員試験と比べると、都庁(技術職)よりは難易度は低く、国家一般職(技術)と同レベルぐらいと思われます。
試験勉強時間/期間
700時間 / 8ヵ月間
特別区Ⅰ類の土木・建築新方式は、一般方式の行政職・技術職の勉強量に比べ約半分ほどで筆記試験対策が可能です。ですので、試験の1年前から学習スタートすれば、一次試験対策は500~600時間で残りの時間は人物対策に力を注ぐことができます。また、理系学部の学生や出身者なら、大学で専門的な授業も受けているので、試験内容についても理解しやすくすぐに知識定着できると思われます。
III 類採用試験
Cランク/偏差値54
高卒程度の地方公務員採用試験のなかでは、都庁(高卒)よりも難易度は易しいですが、上位都道府県、政令都市の初級試験と同じぐらいかと思われます。また、受験生の出身校は、都内の上位校や千葉や神奈川、埼玉など近郊都市の偏差値60ぐらいの私立、県立校になります。国家一般職(初級)と併願して特別区Ⅲ類を受験する人は多いようです。
試験自体はそれ程レベルは高くありませんが、受験生の偏差値が高く、しかも高倍率になりますので最終合格するには難しい試験になります。また、国家公務員初級よりも特別区Ⅲ類の倍率は、約2倍ほど高いので高卒レベルのなかでも難易度が高い試験になります。
試験勉強時間/期間
目安は500~700時間 / 半年~10ヵ月
特別区Ⅲ類は、教養試験の対策が不可欠で、高校卒業程度の試験ではあるもの、学校の授業で教わらない科目試験がたくさんでます。とはいってもⅢ類は、専門試験が課せられず、その代わりに作文試験になりますので、筆記は教養のみに集中して勉強することができます。
早ければ半年ほどで合格力を身につけることができますが、作文や面接対策に充てる時間が確保できるよう、1年前からの早めスタートで余裕を持って試験対策できるようすると良いでしょう。
国家資格と難易度を比較
筆記試験のレベルから言うと特別区Ⅰ類(一般方式)は、社労士やマンション管理士、行政書士あたりの国家資格と同レベルと思われます。もちろん試験内容は異なりますので、行政書士合格者が必ずしも特別区に合格できるとは限りません。特に、公務員試験は筆記試験のほかに人物試験がありますので、国家資格よりかは難易度は高いと見解できます。
特別区採用試験の受験者・合格者・合格率推移
Ⅰ類採用試験【一般方式】
区分 |
2018年 |
2017年 |
2016年 |
難易度 |
---|---|---|---|---|
事務 |
12.718人・2.371人 |
12,683人・2,176人 |
11.795人・1.781人 |
65 |
土木 | 383人・160人/2.4倍 | 322人・134人/2.4倍 | 411人・127人/3.2倍 | 60 |
造園 | 68人・26人/2.6倍 | 103人・25/4.1倍 | 68人・26人/2.6倍 | 60 |
建築 | 178人・104人/1.7倍 | 173人・113人/1.5倍 | 176人・89人/2.0倍 | 62 |
機械 | 103人・53人/1.9倍 | 110人・52人/2.1倍 | 112人・49人/2.3倍 | 60 |
電気 | 128人・67人/1.9倍 | 135人・73人/1.8倍 | 125人・43人/2.9倍 | 61 |
福祉 | 468人・236人/2.0倍 | 394人・202人/2.0倍 | 438人・147人/3.0倍 | 59 |
心理 | 252人・78人/3.2倍 | 190人・67人/2.8倍 | 採用なし | 63 |
衛生監視 |
181人・86人/2.1倍 | 177人・65人/2.7倍 | 159人・44人/3.6倍 | 60 |
衛生監視 |
42人・7人/6.0倍 | 56人・6人/9.3倍 | 53人・3人/17.7倍 | 63 |
保健師 | 377人・199人/1.9倍 | 375人・128人/2.9倍 | 341人・125人/2.7倍 | 58 |
特別区の事務は大学生、社会人から人気がありますので、毎年1万人以上の受験者数になっています。採用枠が多いので、どうにか平均約6倍どまりの倍率を推移していますが、それでも中堅市役所よりも高い倍率になっています。また、政令都市のなかでは、偏差値に関係なく倍率だけでみると、特別区は低い自治体で最終合格しやすくなっています。
そして、、技術職は、理系、工学部出身者が有利で、心理・福祉系は、福祉大学出身の方が受験されています。技術系の採用試験は、衛生監視(科学)を除けば、事務よりも倍率が低いのでどの区分も合格しやすくなっています。
I 類採用試験【土木・建築新方式】
区分 |
2018年 |
2017年 |
2016年 |
難易度 |
---|---|---|---|---|
土木造園 |
108人・39人/2.8倍 | 113人・23人/4.9倍 | 139人・40人/3.5倍 | 60 |
建築 | 75人・39/1.9倍 | 102人・31人/3.3倍 | 127人・31/4.1倍 | 60 |
年度によって採用人数、倍率は異なりますが、一般方式よりかは新方式のほうが平均的に倍率が高い傾向にあります。教養試験がなく専門知識だけで勝負できるので、新方式での受験を選ぶ人が増えたことが理由としています。
III 類採用試験
区分 |
2018年 |
2017年 |
2016年 |
難易度 |
---|---|---|---|---|
事務 | 4,279人・471人/10.0倍 | 3.476人・403人/8.6倍 | 3.192人・351人/9.1倍 | 54 |
都内の高校生や既卒生から人気がある特別区の採用試験は、平均(過去3年)して9倍以上の倍率を推移していますので、最終合格するには難しい試験になります。また偏差値は54に位置づけしていますが、偏差値60レベルの受験生が試験に挑んでいるので、一次試験突破自体簡単ではありません。
特別区試験の受験資格年齢
Ⅰ類 事務・土木造園(土木)・土木造園(造園)・建築・機械・電気 | 22歳以上32歳未満の人 |
---|---|
Ⅰ類 福祉・衛生監視(衛生)・衛生監視(化学) | 22歳以上30歳未満の人で、必要な資格・免許を有する人 |
Ⅰ類 心理 | 40歳未満の人で、学校教育法に基づく大学(短期大学を除く。)の心理学科を卒業した人又はこれに相当する人 |
Ⅰ類 保健師 | 22歳以上40歳未満の人で、保健師免許を有する人 |
Ⅲ類 事務・土木造園(土木)・土木造園(造園)・建築・機械・電気 | 18歳以上22歳未満の人 |
Ⅲ類 障害者を対象とする採用選考(事務) | 18歳以上32歳未満の人 |
特別区職員採用試験・選考 実施日程
項目 | Ⅰ類(一般方式) | Ⅰ類(土木・建築新方式) | Ⅲ類 |
---|---|---|---|
受付申込 | 3月中旬~4月初旬 | 3月中旬~4月初旬 | 6月中旬~7月中旬 |
1次試験 | 5月上旬 | 5月上旬 | 9月上旬 |
1次試験合格 | 6月下旬 | 6月下旬 | 10月中旬 |
2次試験 | 7月上旬~中旬 | 7月上旬~中旬 | 10月下旬~11月上旬 |
最終合格 |
技術系:7月下旬 |
7月下旬 | 11月中旬 |
特別区採用試験Q&A
【土木・建築新方式】は、民間企業志望者や、試験対策に十分な時間をとれない方でも受験しやすい試験方式として、平成 年度から実施している試験です。【一般方式】との違いは、教養試験と論文試験の代わりに適性検査を実施している点です。
できません。Ⅰ類【一般方式】と【土木・建築新方式】の重複申込みがあった場合は、試験区分に関わらず、受信又は消印の早いもののみ受理します。いかなる理由においても、申込み後の変更はできませんので、ご注意ください。
試験方式を理由とした初任給や配属の違いはありません。
特別区Ⅰ類一般方式採用試験概要
一次試験 |
・教養試験:2時間 |
---|---|
二次試験 | 口述試験:人物及び職務に関連する知識等についての個別面接 |
採用予定数※2019年度 | 事務966名、建築69名、福祉126名、衛生監視(化学)5名、土木造園(土木)59名、機械30名、心理38名、保健師78名、土木造園(造園)20名、電気37名、衛生監視(衛生)49名程度 |
事務の試験試験内容
教養試験 |
一般教養についての五枝択一式(48題中 40題解答) |
---|---|
専門試験 |
一般行政事務に必要な基礎知識についての五枝択一式(55題中 40題選択解答) |
論文 |
課題式(2題中 1題選択解答) |
土木造園(土木・造園)、建築、機械、電気、福祉、心理、衛生監視(衛生・化学)の試験内容
教養試験 | 事務と同じ |
---|---|
専門試験 |
それぞれの試験区分に必要な専門的知識についての記述式、語群選択式等 |
論文 | 事務と同じ |
保健師の試験内容
教養試験 | 事務と同じ |
---|---|
専門試験 | 保健師として必要な専門的知識についての記述式、語群選択式等(3題必須解答) |
論文 |
課題式(2題中1題選択解答) |
各試験種の専門試験出題分野
事務 |
憲法、行政法、民法①[総則・物権]、民法②[債権・親族・相続]、ミクロ経済学、マクロ経済学、 |
---|---|
土木造園(土木) | 応用力学、土質工学、測量、土木施工、道路・橋梁、都市計画 |
土木造園(造園) | 造園史、造園計画、造園植物、植栽・土壌肥料学、生態学、造園施工・管理 |
建築 | 建築史、建築計画、都市計画、建築設備、建築構造、建築施工、建築法規 |
機械 | 物理、材料力学、熱力学・熱機関、流体力学・流体機械、計測・制御、機械材料 |
電気 | 電気・電子回路、電気磁気学、材料・制御(電気応用を含む。)、電気機器、発送配電、情報・通信 |
福祉 | 社会学概論、社会福祉論、社会心理学、児童心理学、ケースワーク |
心理 | 一般心理学、応用心理学、臨床心理学 |
衛生監視(衛生) | 公衆衛生学、微生物学、化学、食品衛生学、環境衛生学 |
衛生監視(化学) | 有機化学、無機化学、分析化学、物理化学、生化学、応用化学 |
保健師 | 公衆衛生看護学、疫学・保健統計学、保健医療福祉行政論 |
特別区Ⅰ類【土木・建築新方式】採用試験概要
一次試験 |
専門試験(1時間30分):(6題中4題選択解答) |
---|---|
二次試験 | 口述試験:人物、職務に関連する知識及び職務への適性等についての個別面接 |
採用予定数※2019年度 | 土木造園(土木)10名、建築9名程度 |
各試験種の専門試験出題分野
土木造園(土木) | 応用力学、土質工学、測量、土木施工、道路・橋梁、都市計画 |
---|---|
建 築 | 建築史、建築計画、都市計画、建築設備、建築構造、建築施工、建築法規 |
特別区Ⅲ類採用試験概要
一次試験 |
教養試験(1時間30分):(50題中45題解答) |
---|---|
二次試験 | 口述試験:主として人物についての個別面接 |
採用予定数※2019年度 | 事務146名程度 |
一次試験内容
知能分野 |
文章理解(英文を含む。)、判断推理、数的処理、資料解釈及び空間把握 |
---|---|
知識分野 |
社 会・・・現代社会、日本史、世界史、地理、倫理及び政治・経済 |
作文 |
課題式(1題必須解答) |
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