【2024年】自衛隊の難易度・就職偏差値を判定

全国約260の勤務地に、多くの自衛官が働く巨大組織が自衛隊になります。自分を活かす職種・職域がありますので、公務員を目指す学生、社会人のなかには、本命またはすべり止め、併願先として、選択の一つに挙げている方もいることでしょう。ここでは、自衛隊採用試験の難易度や偏差値、合格倍率など検証!他の公務員試験や民間就職で迷われている方は参考にしてみて下さいね!

 

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自衛隊区分別の難易度・偏差値

 

区分 難易度 偏差値
幹部候補生

B

65
医科・歯科幹部自衛官

A

70
技術海上幹部・技術航空幹部

A

72
技術海曹・技術空曹

B

65
航空学生

B

62
一般曹候補生

B

60
自衛官候補生

D

45
防衛大学校学生

B

62
防衛医科大学校医学科学生

A

67
防衛医科大学校看護学科学生(自衛官)

B

60
防衛医科大学校看護学科学生(技官)

C

59
高等工科学校生徒

C

55
貸費学生(技術)

B

62

 

自衛隊区分別の合格倍率推移

 

区分

2018年
応募者・採用者/倍率

2017年
応募者・採用者/倍率

2016年
応募者・採用者/倍率

幹部候補生
(一般・技術)

4,699・289人/16.3倍 5,436・317人/17.1倍 6,511・395人/16.5倍
航空学生 2,747・159人/17.0倍 3,187・149人/21.3倍 3,430・137人/25.0倍
一般曹候補生 27,580・6,464人/4.3倍 29,151・5,044人/5.8倍 24,312・5,011人/4.9倍
自衛官候補生 28,145・7,075人/4.0倍 27,510・7,513人/3.7倍 29,067・7,610人/3.8倍
防衛大学校学生 13,926・516人/27.0倍 16,299・531人/30.6倍 19,871・471人/42.2倍

防衛大学校学生
(医学)

6,113・84人/72.8倍 6,622・85人/78.0倍 6,815・84人/81.1倍

防衛大学校学生
(自衛官看護)

1,905・74人/25.7倍 2,294・75人/30.6倍 2,207・74人/30.0倍
高等工科学校 2,228・346人/6.4倍 2,460・321人/7.7倍 2,721・315人/8.6倍
その他 219・53人/4.1倍 215・55人/3.9倍 195・51人/3.8倍

※その他は、医科・歯科幹部、技術幹部、医科・歯科・薬剤科幹部候補生、技術曹、看護曹、貸費学生
※合格倍率は、応募者に対する採用者の算出による数字になりますので、実際の受験者数を考慮すると2割程度低い倍率と考えて良いかと思われます。

 

倍率から見る難易度考察・試験勉強時間

 

自衛隊幹部候補生

 

一般・歯科・薬剤科のコースから各自衛隊の幹部自衛官となる者(飛行要員含む)を養成する制度です。大学の文系および理工系から進む通常の幹部候補生コースが「一般幹部候補生」になります。そして、自衛隊の衛生分野(病院勤務等)で活躍する歯科医官となる「歯科幹部候補生」。自衛隊の衛生分野(病院勤務等)で活躍する薬剤官となる「薬剤科幹部候補生」の3つのコースがあります。各コースとも幹部候補生として一定期間の教育を受けた後、一般幹部候補生は3等陸・海・空尉(院卒者試験合格者は2等陸・海・空尉)に昇任、歯科・薬剤科幹部候補生は2等陸・海・空尉に昇任、幹部自衛官となります。

 

一般幹部候補生は国家一般職(大卒)と同じぐらいのレベルで、採用試験の出題内容は陸海空ともに共通ですが、陸上、航空よりか海上は競争倍率が低いので、難易度で言えば陸上・航空のほうが若干高くなります。そして院卒試験になると大卒よりかは難しいですが、どちらにしても自衛隊幹部候補生の勉強時間は1000~1200時間/1年間を目安に対策する必要があります。

 

合格者の出身大学は、国立大学、関関同立、MARCHレベルの大学が多いようです。また、東大、京大の上位国立大や早慶などブランド私大の学生は少ないですが、受験して合格している人もいます。そして、専門知識など既に勉強している歯科、薬剤科については、一般幹部候補生と変わらず難易度が高い試験になります。

 

一般曹候補生

 

陸上・海上・航空自衛隊の曹となる自衛官を養成する制度です。一般曹候補生は、入隊後2年9月以降選考により3曹へ昇任します。自分の能力に合わせて、知識と技能を高めてゆくことが可能です。高校新卒者はもちろん、高専卒、大卒、社会人経験者まで多様な経歴を持った人材が一般曹候補生として入隊します。

 

一般曹候補生の偏差値、難易度は、幹部候補生よりかはだいぶ低いですが、それでも60以上の学力が必要な試験になります。ですので、一般曹候補生の試験勉強は、1000時間/1年間を目安に対策する必要があります。

 

また、各部隊の試験は同じですが合格倍率は陸、海、空の各部隊によって異なり、一番人気の航空、次いで陸上、海上の準に難易度が低くなります。さらに、女性は男性の2~3倍の倍率になりますので、相当、合格するのは難しいと考えられます。

 

ただし、幹部候補生よりも偏差値、難易度はぐ~んと下がりますので、幹部候補生、曹候補生を併願して受験する人は少なくありません。万が一、幹部候補生になれなくても、一般曹候補生からでも任期終了することで幹部候補生の受験資格を得ることができます。

 

自衛官候補生

 

採用後「自衛官候補生」(特別職国家公務員)に任命され、自衛官となるために必要な基礎的教育訓練に専念する新しい採用制度です。所要の教育を経て3ヶ月後に2等陸・海・空士(任期制自衛官)に任官します。その後、各部隊・基地等に配属され、約9ヶ月後、1等陸・海・空士に昇任し、さらに1年 後、陸・海・空士長に昇任します

 

高卒の警察官や消防官よりも難易度が低く、公安系公務員のすべりどめとして、受験する人が多くいます。中学生卒業程度の学力があれば筆記試験は合格できると思われます。自衛官候補の試験勉強は500時間/半年の対策で十分だと考えられます。

 

防衛大学校学生

 

将来、各自衛隊の幹部自衛官となる者(パイロット要員含む)を4年間の修業期間において養成する制度です

 

自衛官幹部候補生よりも偏差値は低くいですが、自衛隊のトップを目指すなら防衛大への入学がとても有利になるため、幹部候補生よりも受験者数は多く、倍率が非常に高くなっています。そのため合格するには大変難しい試験になります。

 

そして防衛大の偏差値は有名大学と同レベルで、国立大学や早稲田、慶應、上智など私立大学ぐらいの難易度が高い試験になります。そこで防衛大学校学生の試験勉強は、1000時間/1年間を目安に対策する必要があります。

 

また、学部は文系の「人文・社会科学専攻」と理系の「理工学専攻」の2学部で構成され、倍率が高い「人文・社会科学専攻」の方が難しくなっています。

 

防衛医科大学校医学科・看護学科(自衛官・技官)学生

 

防衛医科大学校は、学校教育法に基づき医学教育を行う大学の設置基準に準拠して教育を実施しています。本学には医師である幹部自衛官(医官)を養成する医学科、保健師・看護師である幹部自衛官を養成する看護学科(自衛官コース)、防衛医科大学校病院で勤務する保健師・看護師である技官を養成する看護学科(技官コース)があります。

 

防衛医科大看護科は、一般的な国公立大学の看護学部と同じか少し高めの難易度となっています。また、自衛艦コースは毎年、10~20の高倍率で、5年前の2014年は40倍と難易度が高く、それに比べ技官は平均(過去5年)8倍になっています。また、とうぜんながら防衛大医学科は、看護科よりも偏差値、難易度は高くなります。

 

高等工科学校生徒

 

将来陸上自衛隊において、高機能化・システム化された装備品を駆使・運用するとともに、国際社会においても自信をもって対応できる自衛官となる者を養成するために、中学校卒業予定者等を対象に採用する制度です。

 

高等工科学校進学して9割の卒業生が幹部になっており、中卒から受験できるもの試験は決して易しくはありません。自衛官候補よりも偏差値、難易度が高く、中~上までの県内高校合格できる学力が必要としています。そこで、高等工科学校生徒の試験勉強は800時間/半年~10ヵ月を目安に対策しておくと良いでしょう。

 

 

自衛隊幹部候補生試験の概要

 

試験日程

申込受付3月初日~5月初日
第1次試験日5月上旬
第2次試験日6月上旬
第3次試験日7月上旬 ※海・空飛行要員のみ
最終合格者発表7月下旬~8月下旬
入隊時期:翌年3月下旬~4月上旬

受験資格

【一般】
(大卒程度試験)
22歳以上26歳未満の者(20歳以上22歳未満の者は大卒(見込含)、修士課程修了者等(見込含)は28歳未満)

 

(院卒者試験)
修士課程修了者等(見込含)で、20歳以上28歳未満の者

 

【歯科】
専門の大卒(見込含)20歳以上30歳未満の者

 

【薬剤科】
専門の大卒(見込含)20歳以上28歳未満の者*詳細は募集要項

試験科目

【一次試験】
筆記試験(一般教養:大学教養課程修了程度、専門 :大学教養課程・大学専門課程修了程度)
筆記式操縦適性検査(飛行要員希望者のみ)

 

【二次試験】
小論文試験、口述試験、身体検査
(ただし、飛行要員希望者のみ航空身体検査を実施)

 

(一般)筆記試験種目・内容

 

共通

【一般教養】択一式
第Ⅰ分野(人文科学、社会科学、自然科学及び英語)
第Ⅱ分野(文章理解、数的推理、判断推理及び資料解釈)
【専門】択一式
人文科学、社会科学、理・工学のうちから1科目選択
※ただし、音楽要員希望者は音楽科目を受験

大卒程度試験

【専門】記述式
心理、教育、英語、行政、法律、経済、国際関係、社会、数学、物理、化学、情報工学、電気、電子、機械(造船を含む。)、土木、建築、航空工学、海洋・航海のうちから1科目選択
※ただし、音楽要員希望者は音楽科目を受験

院卒者試験

理・工学【専門】記述式
数学、物理、化学、情報工学、電気、電子、機械(造船を含む。)、土木、建築、航空工学及び海洋・航海のうちから1科目選択

 

法学【専門】記述式
行政、法律、国際関係のうちから1科目選択

 

(歯科・薬剤科)筆記試験種目・内容

 

一般教養(択一式)

第Ⅰ分野(人文科学、社会科学、自然科学及び英語)
第Ⅱ分野(文章理解、数的推理、判断推理及び資料解釈)

専門試験(択一式・記述式) 歯学・薬学それぞれに関する問題

 

一般曹候補生の試験概要

 

試験日程

【1回】
申込受付3月~5月中旬
第1次試験日5月下旬
第2次試験日6月下旬
最終合格者発表7月下旬
入隊時期:翌年3月下旬~4月上旬

 

【2回】
申込受付7月~9月初旬
第1次試験日9月中旬
第2次試験日10月上旬
最終合格者発表11月上旬
入隊時期:翌年3月下旬~4月上旬

受験資格

日本国籍を有する18歳以上33歳未満の者
※32歳の者は、採用予定月の末日現在、33歳に達していない者

試験科目

【一次試験】
筆記試験(国語、数学、英語、作文):高等学校卒業程度
適性検査

 

【二次試験】
口述試験
身体検査

 

筆記試験種目・内容

 

科目(出題範囲)

国語:国語総合
数学:数学Ⅰ
英語:コミュニケーション英語Ⅰ

作文 700字程度

 

自衛官候補生試験概要

 

試験日程

申込受付:年間を通じて受付
試験日:受付時にお知らせ
合格発表:試験時にお知らせ
入隊時期:採用予定通知書でお知らせ

受験資格

18歳以上33歳未満
ただし、32歳の者にあっては、採用予定月の1日から起算して3月に達する日の翌月の末日現在、33歳に達していない者に限る。

試験科目 筆記試験(国語、数学、社会及び作文)、口述試験、適性検査及び身体検査

 

防衛大学校学生試験概要

 

試験日程

【推薦】
申込受付:9月上旬
試験実施日:9月下旬
最終合格者発表:11月始め

 

【総合選抜】
申込受付:9月上旬
第1次試験日9月下旬
第2次試験日11月始め
最終合格者発表11月下旬

 

【一般】
申込受付:9月上旬~下旬
第1次試験日11月上旬
第2次試験日12月上旬
最終合格者発表1月中旬

 

※入隊時期:4月上旬

受験資格

【推薦】
高卒(見込含)21歳未満かつ高等学校長の推薦必要

 

【総合選抜・一般】
高卒(見込含)21歳未満

試験科目

【推薦】
人文・社会科学専攻 学力試験(英語及び小論文)、口述試験及び身体検査
理工学専攻 学力試験(英語、数学及び理科(物理・化学))、口述試験及び身体検査

 

【総合選抜】
(一次試験)
基礎学力試験
人文・社会科学専攻:英語及び小論文
理工学専攻:英語、数学及び理科(物理・化学))

 

(二次試験)
適応能力試験、問題解決能力試験、基礎体力試験、口述試験及び身体検査

 

【一般】
(一次試験)
人文・社会科学専攻:英語、数学・社会より1科目選択、国語
理工学専攻:英語、数学及び理科(物理・化学より1科目選択)

 

(二次試験)
口述試験及び身体検査

 

筆記試験種目・内容

 

推薦・総合選抜

 

人文・社会科学専攻

英語(マークセンス):コミュニケーション英語/Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ/英語表現Ⅰ・Ⅱ
小論文(記述)

理工学専攻

英語(マークセンス):コミュニケーション英語/Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ/英語表現Ⅰ・Ⅱ
数学(マークセンス・及び記述):数学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ/数学A・B
理科(マークセンス・及び記述):物理基礎・物理/化学基礎・化学

 

一般採用試験

 

人文・社会科学専攻

英語(マークセンス):コミュニケーション英語/Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ/英語表現Ⅰ・Ⅱ
数学・社会(マークセンス):数学Ⅰ・Ⅱ/数学A・B/日本史B/世界史B(1科目選択)
国語(マークセンス):国語総合/現代文A・B/古典A・B

理工学専攻

英語(マークセンス):コミュニケーション英語/Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ/英語表現Ⅰ・Ⅱ
数学(マークセンス):数学Ⅰ・Ⅱ/数学A・B
理科(マークセンス):物理基礎・物理/化学基礎・化学(1科目選択)

 

自衛隊採用試験対策

 

自衛隊の採用試験は、区分により難易度がかなり異なり、中卒レベルから大卒上位レベルの学力が必要な試験になっています。確実に合格するには、受験する区分に対応した学習を効率的に勉強する必要があります。そうするには、独学よりも必然的に専門予備校や塾を利用して試験対策することが得策と考えられます。

 

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