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【2024年】国家総合職の難易度・就職偏差値を判定

国家総合職試験は、いわゆる「キャリア」と呼ばれる、省庁の幹部候補を採用する試験で公務員試験の最高峰になります。人事院によると「主として政策の企画立案等の高度の知識、技術又は経験を必要とする業務に従事する係員の採用試験」と記載され、中央官庁の幹部候補として政策の企画・立案に携わる仕事になります。

 

そして試験は、「院卒」「大卒程度」の学歴区分が設けられています。また、通常の春試験に加え、新設された「法務区分」と「教養区分」は、秋に試験が実施されます。最終合格者は、官庁訪問を経て採用が決まり、その有効期間は3年間になります。したがって、合格した年の翌年や翌々年に採用を希望する官庁を訪問することも可能です。

 

ここでは国家総合職の難易度、偏差値、合格倍率など検証!他の公務員試験や国家資格試験の比較としてご覧下さいね。

 

 

国家総合職の難易度・偏差値

 

院卒:最高ランクSS/偏差値75~72
大卒:最高ランクSS/偏差値74~71

 

公務員試験のなかで最難関の総合職は、筆記試験が非常に難しいとされ、問題のレベルが高いので一次試験突破するためには相当な学力が必要になる試験になります。特に財務省、経済産業省、総務省、外務省、警察庁は最高ランクのSS、75~74の難易度・偏差値になり、どの省庁内定も目指せる院卒の行政、大卒の政治・国際、法律は、国家総合職試験のなかで最も難易度が高いです。

 

次いで人事院、法務省、文部科学省、厚生労働省、農林水産省、国土交通省、環境省、防衛省などは、Sランク、偏差値70以上のレベルと考えて良いかと思われます。そして、国家公務員の衆議院総合職、参議院総合職と同レベルの難易度になります。

 

また、国家総合職試験と民間企業と比較してみると、外資系のマッキンゼー、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーや国内の三菱商事、三井物産、日本銀行など一流企業の難易度と同じぐらいと考えておくと良いかもしれませんね。

 

平均勉強時間/期間

 

目安は1000~1500時間 / 1~2年間

 

最難関の試験になりますので、勉強時間、学習期間は必然的に、一般の公務員試験よりかは多くなります。そして、大学2年生・3年生から法律資格試験の予備校に通って勉強する人は少なくないようです。ですが、もともと学力の高い人が受験する試験になりますので、すでに効率的に学習できる能力をマスターしている人も多いかと思われます。

 

そういった受験生なら1年以内で筆記試験、専門試験合格に必要な実力を身につけることが可能でしょう。また、大卒試験(教養区分)については、基礎的能力試験はあるもの、専門知識不要、企画提案試験はそれ程、時間を要する必要はありませんので、総合職試験のなかでもわりかし少ない勉強時間で合格を身に付けられると考えられます。

 

国家資格と難易度を比較

 

最高峰の国家資格とも言われる司法試験は、総合職試験とどちらが難しいのか?試験の内容はもちろん異なりますが、筆記試験難易度だけで言えば、弁護士、検察官、裁判官になれる司法試験のほうが、かなり上と見解できます。

 

ただし、総合的に考えると国家総合職の方が合格するには難しいと考えられます。司法試験に挑戦できるくらいの学力があれば、余裕で一次試験突破できると考えられますが、公務員試験は人物試験も課せられ、国家総合職は官庁訪問してから合格が決定します。

 

また、年齢制限内であれば何回でも受験できる規定ではあるもの、採用する側では「卒業年度のみ」と言う暗黙のルールがあります。何度か受験できる司法試験に比べ、1度きりの総合職試験は必然的に難しいと考えられます。

 

そして、司法試験に次いで難易度の高い公認会計士についても筆記試験レベルは、資格の方が上ですが最終合格・内定するには国家総合職の方が難易度が高いと見解できます。

 

 

 

国家総合職合格者の出身大学/出身校

 

1位 東京大学307人
2位 京都大学126人
3位 早稲田大学97人
4位 北海道大学81人
5位 東北大学・慶應義塾大学各75人
7位 九州大学66人
8位 中央大学59人
9位 大阪大学58人
10位 岡山大学55人
※2019年度合格者出身大学ランキング

 

毎年のことだけに今年もまた、圧倒する合格者を輩出しているのが東大生になります。院卒者試験、大卒程度試験合わせると合計1,798名の合格者のなかで、東大生は307名になりますのでかなりの割合です。次いで京都大で、3位に早稲田大、5位に慶應義塾大が食い込んでいるもの、国家総合職合格者は上位国立大学が多く占め、超エリート大学生が受験する公務員試験になります。

 

国家総合職の受験者・合格者・合格倍率推移

 

院卒区分

 

区分

2018年
受験者・合格者/倍率

2017年
受験者・合格者/倍率

2016年
受験者・合格者/倍率

難易度
行政 426人・174人/2.4倍 453人・196人/2.3倍 738人・204人/3.6倍 75
人間科学 91人・43人/2.1倍 116人・42人/2.8倍 99人・39人/2.5倍 72
工学 396人・191人/2.1倍 473人・184人/2.6倍 444人・186人/2.4倍 74

数理科学
物理
地球科学

168人・39人/4.3倍 195人・35人/5.6倍 189人・41人/4.6倍 75

化学
生物
薬学

314人・57人/5.5倍 329人・51人/6.5倍 308人・62人/5.0倍 75

農業科学
水産

178人・78人/2.3倍 163人・63人/2.6倍 173人・59人/2.9倍 72

農業農村
工学

14人・12人/1.2倍 25人・13人/1.9倍 26人・11人/2.4倍 72

森林
自然環境

89人・45人/2.0倍 126人・40人/3.2倍 102人・37人/2.8倍 72
法務 12人・11人/1.1倍 17人・12人/1.4倍 41人・32人/1.3倍 72

 

国家総合職院卒試験は、数理科学・物理・地球科学、化学・生物・薬学以外は、合格倍率平均2~3倍になっています。そして、司法試験合格者が受験できる法務区分は、平均1.3倍と合格しやすくなっています。

 

大卒区分

 

区分

2018年
受験者・合格者/倍率

2017年
受験者・合格者/倍率

2016年
受験者・合格者/倍率

難易度

政治
国際

1048人・63人/16.6倍 995人・56人/17.8倍 1016人・52人/19.5倍 74
法律 8529人・471人/18.1倍 8576人・504人/17.0倍 8143人・569人/14.3倍 74
経済 1654人・194人/8.5倍 1641人・210人/7.8倍 1607人・230人/7.0倍 72
人間科学 333人・38人/8.8倍 350人・38人/9.2倍 370人・43人/8.6倍 72
工学 1413人・192人/7.4倍 1454人・243人/6.0倍 1506人・246人/6.1倍 73

数理科学
物理
地球科学

196人・21人/9.3倍 223人・30人/7.4倍 204人・39人/5.2倍 74

化学
生物
薬学

417人・32人/13.0倍 512人・37人/13.8倍 413人・46人/9.0倍 74

農業科学
水産

428人・88人/4.9倍 452人・69人/6.6倍 401人・69人/5.8倍 71

農業農村
工学

194人・34人/5.7倍 246人・41人/6.0倍 177人・53人/3.3倍 71

森林
自然環境

237人・25人/9.5倍 289人・26人/11.1倍 262人・25人/10.5倍 72
教養 2928人(申込)145人(最終合格)/20.1倍 2811人(申込)135人(最終合格)/20.8倍 2558人(申込)135人(最終合格)/18.9倍 70

 

院卒試験よりも大卒試験は全体的に高倍率で、特に政治・国際、法律は毎年、20倍近いため最終合格するには超難関試験の区分になります。そして、教養区分については、受験者数ではなく申込み者数から倍率を算出した数字になっていますので、それよりか2割少ない倍率と考えて良いかと思われます。

 

教養区分については、民間企業と併願する人が多く、試しに受験するという方もいることから、申込み者数は比較的に多くなっています。

 

国家総合職試験の概要

 

日程・受験資格

 

院卒・大卒区分

 

試験日程

申込受付3月下旬~4月上旬
第1次試験日4月下旬
第1次試験合格発表日5月上旬
第2次試験日:筆記5月下旬、人物5月下旬~6月中旬
最終合格者発表6月下旬
(※ 院卒者試験(法務区分)及び大卒程度試験(教養区分)は別途秋に実施)

受験資格※2019年度

【院卒】
1989(平成元)年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの
(1) 大学院修士課程又は専門職大学院の課程を修了した者及び2020年3月までに大学院修士課程又は専門職大学院の課程を修了する見込みの者
(2) 人事院が(1)に掲げる者と同等の資格があると認める者

 

【大卒程度】
(1) 1989(平成元)年4月2日~1998(平成10)年4月1日生まれの者
(2) 1998(平成10)年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの
ア 大学を卒業した者及び2020年3月までに大学を卒業する見込みの者
イ 人事院がアに掲げる者と同等の資格があると認める者

 

院卒者試験(法務区分)

 

試験日程

申込受付(ネット)9月中旬
第1次試験日9月下旬
第1次試験合格発表日10月上旬
第2次試験日:10月上旬
最終合格者発表10月中旬

受験資格※2019年度

1989(平成元)年4月2日以降生まれの者で次に掲

 

1.法科大学院の課程を修了した者であって司法試験に合格したもの又は司法試験法及び裁判所法の一部を改正する法律(平成14年法律第138号)附則第10条の規定により同法附則第6条第2項に規定する新司法試験に合格した者とみなされた者

 

2.司法試験予備試験に合格した者であって司法試験に合格したもの

 

大卒程度試験(教養区分)

 

試験日程

申込受付(ネット)8月上旬~中旬
第1次試験日9月下旬
第1次試験合格発表日10月中旬
第2次試験日:11月中旬
最終合格者発表12月上旬

受験資格※2019年度

1.1989(平成元)年4月2日~1999(平成11)年4月1日生まれの者
2.1999(平成11)年4月2日以降生まれの者で次に掲げるもの
(1) 大学を卒業した者及び2020年3月までに大学を卒業する見込みの者
(2) 人事院が(1)に掲げる者と同等の資格があると認める者

 

区分別試験内容(出題数・時間・配点比率)

 

院卒区分

 

試験科目(行政)

【一次試験】
基礎能力試験(多肢選択式):30題/2時間20分 配点15分の2
専門試験(多肢選択式):40題/3時間30分 配点15分の3

 

【二次試験】
専門試験(記述式):(行政)3題/4時間、(他の区分)2題/3時間30分 配点15分の5
政策課題討議試験:概ね1時間30分 配点15分の2
人物試験:配点15分の3

 

【英語試験】

試験科目(法務)

【一次試験】
基礎能力試験(多肢選択式):30題/2時間20分 配点7分の2

 

【二次試験】
政策課題討議試験:概ね1時間30分 配点7分の2
人物試験:配点7分の3

 

【英語試験】

 

大卒区分

 

試験科目

【一次試験】
基礎能力試験(多肢選択式):40題/3時間 15分の2
専門試験(多肢選択式):40題/3時間30分 15分の3

 

【二次試験】
専門試験(記述式):(政治・国際、法律、経済区分)3題/4時間、(他の区分)2題/3時間30分 配点15分の5
政策課題討議試験:1題/2時間 配点15分の2
人物試験:配点15分の3

 

【英語試験】

試験科目(教養))

【一次試験】
総合論文試験:2題/4時間 配点28分の8
基礎能力試験(多肢選択式):(Ⅰ部)24題/2時間 配点28分の3、(Ⅱ部)30題/1時間30分 28分の2

 

【二次試験】
企画提案試験:(Ⅰ部)1題/2時間、(Ⅱ部)概ね1時間程度 配点28分の5
政策課題討議試験:概ね2時間程度 配点28分の4
人物試験:配点28分の6

 

【英語試験】

※英語試験は英語の能力の程度に応じて加算

 

国家総合職試験対策

 

公務員試験は筆記試験や専門試験が課せられ、総合職になると院卒なら政策課題討議試験、大卒程度試験は政策論文試験などもあります。筆記試験対策だけに集中していては、最後の関門である人物試験の突破は難しくなってしまうので、総合的に対策する必要があります。

 

そのためには、国家総合職試験を知り尽くした公務員予備校や塾、通信講座など、自分にあった学校を選んで試験対策することが得策と考えられます。

 

 


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