国税専門官の年収(給料)モデル~年齢・役職別一覧

公務員の受験先を決める際に、基本、やりがいのある仕事であるかどうかが重要になるわけですが、給与や賞与、年収なども重要なポイントにしている受験生は多いかと思われます。そのなかで国家公務員の国税専門官は、他の職種と比べてどうなのか?気になる方もいることでしょう。

 

ここでは、税務のスペシャリストである国税専門官の等級や経験年数による年収についてまとめていますので、地方公務員、国家公務員、民間企業の給与比較として参考にして下さい。特に財務専門官で迷われている受験生はご覧くださいね。

 

国税専門官(税務職)の平均給与、賞与、年収~生涯賃金まで徹底検証!

 

国税専門官の給与は、国家公務員の「税務職俸給表」に沿って支給されます。俸給表は、職務内容の専門性や役職を表している等級、勤続年数を表す号の2つによって給料が定められています。

 

国家公務員は勤務年数に応じて、基本的には毎年昇給する仕組みとなっており、それに加えて、職務内容や役職が上がることにより給与もアップします。支給される給料は、俸給表による基本給に諸手当が加算された額となります。

 

そして税務職は、専門性が高いということから一般国家公務員に比べて1割程度優遇されています。ちなみに財務専門官や、労働基準監督官は行政職俸給表に沿って支給されることから、国税専門官のほうが年収、生涯賃金も高くなります。

 

税務職俸給表は、職務の複雑困難さ及び責任の度合いに応じて10級から1級までの10段階に分かれ、税務大学校普通科を卒業した新任の職員は1級、税務署長クラスは通常10級から9級に格付けされているが、それぞれの級に対応する官職の範囲は、各級ごとの定数と併せて人事院によって決定されています。

 

税務職俸給表の各級の職務内容

 

等級 職務内容 人数
1級 租税の賦課及び徴収に関する定型的な業務を行う職務 6,562人
2級

1.国税局(税務署を除く.以下同じ.)又は税務署の主任の職務
2.租税の賦課及び徴収に関する特に高度の知識又は経験を必要とする業務を行う職務

5,382人
3級

1.国税庁の内部部局(以下「国税庁の本庁」という.)又は国税局の国税実査官,国税調査官,国税査察官又は国税徴収官(以下「国税実査官等」という.)の職務
2.国税不服審判所の国税審査官の職務
3.国税局又は税務署の困難な業務を処理する主任の職務
4.税務署の相当困難な業務を処理する国税徴収官又は国税調査官の職務

6,509人
4級

1.国税庁の本庁又は国税局の困難な業務を処理する国税実査官等の職務
2.国税不服審判所の困難な業務を処理する国税審査官の職務
3.税務署の上席国税徴収官又は上席国税調査官(以下「上席国税徴収官等」という.)の職務

6,414人
5級

1.税務大学校又は税務大学校地方研修所の教育官の職務
2.国税局の主査の職務
3.税務署の統括国税徴収官若しくは統括国税調査官(以下「統括国税徴収官等」という.)又は困難な業務を処理する上席国税徴収官等の職務

12,974人
6級

1.国税庁の国税庁監察官又は監督評価官(以下「国税庁監察官等」という.)の職務
2.国税不服審判所の国税副審判官の職務
3.国税局の課長の職務
4.税務署の相当困難な業務を処理する副署長又は困難な業務を所掌する統括国税徴収官等の職務

12,186人
7級

1.国税庁の困難な業務を処理する国税庁監察官等の職務
2.国税不服審判所の国税審判官の職務
3.国税局の特に困難な業務を所掌する課の長の職務
4.規模の大きい税務署の長又は税務署の困難な業務を処理する副署長の職務

1,727人
8級

1.国税不服審判所の特に困難な業務を処理する国税審判官の職務
2.国税局の部長の職務
3.特に規模の大きい税務署の長の職務

527人
9級

1.国税局の特に重要な業務を所掌する部の長の職務
2.極めて規模の大きい税務署の長の職務

120人
10級 国税局の極めて重要な業務を所掌する部の長の職務 −人

 

平均給与・賞与・年収

 

国税専門官の平均給与49.1万円、平均賞与182万円、平均年収770万円です。(平均年齢43.1歳)

 

国家公務員行政職は平均年収723万円(平均年齢43.6歳)で、国税専門官のほうが高年収になります。また、一般サラリーマンの平均年収410万円~440万円に比べると、かなりの格差があります。

 

初任給

 

基本給+各種手当=約24万円、手取り約19万円
期末・勤勉手当として、年間に俸給月額等の約4.30月分
初年度の年収はおよそ400万円

 

国税専門官の諸手当

 

  • 超過勤務手当(残業代)
  • 扶養手当は配偶者や親族などの扶養家族がいる場合、月額約1万3000円が支給されます。
  • 通勤手当は公共交通機関を利用して通勤している場合で、月額で約5万5000円を上限に支給されます。
  • 住居手当は賃貸住宅に住んでいる場合に適用され、約2万7000円を上限に支給されるなど手当が充実

 

基本給に扶養手当、住居手当、通勤手当、勤務する場所ごとに異なる地域手当、残業代などの諸手当が加算されて支払われます。

 

退職金(定年退職)

 

約2270万円

 

退職金については、地方公務員と変わらない金額となっています。

 

生涯賃金(22歳~定年まで)

 

約3億円

 

地方・国家公務員の平均よりも高めの給与が支給されるため、生涯賃金についても国税専門官は3億に近い金額が見込まれます。また、民間企業(大卒)の生涯賃金は平均2億8000万円で、国税専門官のほうが上回っています。

 

国税専門官の等級&勤務年数による年収

 

等級 経験年数 年収
1級 3.5年 344.4万円
2級 8.4年 418.2万円
3級 12.7年 490.4万円
4級 21.5年 611.7万円
5級 29.1年 680.6万円
6級 31.6年 715.0万円
7級 35.4年 741.3万円
8級 37.4年 772.4万円
9級 37.4年 831.5万円

※平成30年国家公務員給与等実態調査(人事院)
※10級のデーターなし

 

等級は経験年数があがるにつれ、右肩上がりに上昇し、給料、年収も比例して増加します。このように国税専門官は年功序列型の賃金給与がうかがえます。等級は最低の1級から最高は10級まであり、また、号棒は級にかかわらず、毎年、1段階上がり給料も上ります。長く勤めるほど基本給はアップし、役職が上がれば昇給につながります。

 

特に1~5級にかけて年収の上昇率は大きく、その後の昇進は緩やかになっています。最初のうちは昇進する期間差は小さいですが、5級以降になると昇進する期間に大きな差がでてくるようになり、給与についても差が出始めてきます。データーは9級までですが10級になると1000万近い年収とも言われています。

 

そこで、上位級への昇格は、当該職員の職務内容、経験年数及び在級年数のほか、その能力、勤務成績等の要素が重視され、このほか勤務成績の特に良好な職員に対しては、特別昇給あるいは勤勉手当の高率支給を行うなど積極的なメリットシステムの活用にも配意しています。

 

とにもかくにも、国税専門官は公務員ですので、安定した収入を得られることに加え、専門職であることから同じ国家公務員の行政職に比べても高い年収が見込まれる職種になります。

 

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