教員(教師)の年収モデル~年齢・役職別一覧
公立学校や私立学校、正規教員と非正規教員、常勤講師と非常勤講師など勤務する学校、雇用形態は様々で、教員として働くには幼稚園、小学校、中学校、高等学校など学校の種類ごとに免許状が必要となります。そして、公立学校は地方公共団体、都道府県が実施する教員試験に合格して採用されることになります。
公務員志望の方で、小学校や中学校、高等学校の教師を目指すにあたり、給料等が気になるという方もいることでしょう。ここでは、公務員教員職の給与や年収について検証!学歴や年代別の年収が気になる方は参考にして下さい。
教職員の平均給与、賞与、年収~生涯賃金まで徹底検証!
公立の教員(小・中・高)の給与は、「級」と「号」により定められています。公務員になるので、勤務年数が長くなるほど年収が上がっていく年功序列による給料になります。市や都道府県、町村など採用される自治体により多少異なりますが、平均すると下記のような結果となります。
小中学校教師の平均給与41万円、賞与170万円、年収675万円 ※平均年齢42.8歳
高等学校教師の平均給与44万円、賞与177万円、年収700万円 ※平均年齢44.8歳
小中高で比較した場合、高校教師が最も年収が高くなっています。そして地方公務員の平均年収は662万円で、それよりも教員(教師)は高年収が見込めるということになります。ちなみに大学教員は、平均年収720万円で小・中・高校よりも高い給与が見込めます。
公立小中学校教員の初任給
小中学校教員の初任給平均204,932円(大卒)~181,310円(短大卒)
高校教員の初任給平均204,932円(大卒)~179,040円(短大卒)
+地域手当が加算されます。
大卒小中学校教員と高校教員の初任給は全く同じ額で、短大卒は高校教員よりも小中学校教員のほうが若干高くなっています。
教員の諸手当
- 地域手当(へき地手当):勤務地により異なる金額が支給される手当
- 扶養手当:配偶者や子供を持つ職員に与えられる手当
- 給料調整額:特殊学級担当教員及び特殊教育諸学校の教員対象の手当
- 教職調整額:校長・教頭意外の教員に、給料の4%が支給される手当
- 義務教育等教員特別手当:教育職給料表対象の教員職員対象の手当
- 教員特殊業務手当:非常災害時や修学旅行、入学試験業務等の際に支給される手当
- 多学年学級担当手当:2個学年で編制される学級の担当教員に日額290円が支給される手当
- 教育業務連絡指導手当:主任に日額200円が支給される手当
- 管理職手当:管理職向けに、校長12%程・教頭10%程が支給される手当
部活動の手当はいくら?
平成31年1月から1日4時間以上の指導で大体3,600円、2~4時間で1,800円に引き上げられました。それ以前は、1日4時間以上一律3,000円、4時間未満の指導については手当なしでした。
退職金(定年退職)
2,350万円
一般行政職の平均が2,285万くらいなので、それより70万円ほど高いです。
生涯賃金
小中学校教師の生涯年収(22〜59歳)2億7900万円
高校教師の生涯年収(22〜59歳)2億8400万円
退職金も含め2億7000万〜2億8000万が公務員教員の生涯年収になります。一般行政職よりか、若干高くなっています。
小・中・高校別の年収モデル
年代 | 小・中学校 | 高等学校 |
---|---|---|
20代前半 | 400万円 | 420万円 |
20代後半 | 495万円 | 520万円 |
30代 | 580万円 | 610万円 |
40代 | 670万円 | 700万円 |
50代 | 800万円 | 850万円 |
教師の役職は、「教諭」「指導教諭」「主幹教諭」「教頭」「副校長」「校長」があり、一般的に主幹教論まで昇給し退職する人が大半を占めます。教頭や副校長、校長まで登りつめる人は一部になります。
他の職業と比較して収入は高く、公務員なので安定した収入が得られるのが魅力です。ただ、教師という仕事は、大変忙しく残業や休日出勤なども多くあります。さらに、部活動の顧問として、休日返上で出勤することは多々あり、拘束される時間が他の公務員に比べて多くなります。
年間を通して多忙な仕事で、「給料の割には・・・」と嘆いている教師がいる一方で、教育に携わりたいという人にとってはやりがいのある職業であると思われます。
教育系公務員年収自治体ランキング(1033自治体)
上位ランキング10
順位 | 都道府県 | 自治体 |
平均年収 |
平均年齢 |
---|---|---|---|---|
1 | 東京都 | 多摩市 | 1,161 | 48.3 |
2 | 東京都 | 三鷹市 | 1,149 | 48.6 |
3 | 東京都 | 福生市 | 1,123 | 48.8 |
4 | 東京都 | 西東京市 | 1,118 | 46.3 |
5 | 東京都 | 立川市 | 1,095 | 48.7 |
6 | 東京都 | 小平市 | 1,075 | 46.9 |
7 | 静岡県 | 藤枝市 | 1,019 | 48 |
8 | 東京都 | 調布市 | 1,007 | 46.1 |
9 | 東京都 | 町田市 | 983 | 44.5 |
10 | 東京都 | 足立区 | 980 | 49.2 |
ワーストランキング10
順位 | 都道府県 | 自治体 |
平均年収 |
平均年齢 |
---|---|---|---|---|
1 | 岡山県 | 奈義町 | 326 | 28.5 |
2 | 高知県 | 梼原町 | 340 | 28.4 |
3 | 福井県 | 池田町 | 377 | 32.3 |
4 | 福島県 | 広野町 | 378 | 28.8 |
5 | 香川県 | 琴平町 | 382 | 35.1 |
6 | 秋田県 | 八峰町 | 390 | 35.8 |
7 | 熊本県 | 島町 | 391 | 37.2 |
8 | 高知県 | 田野町 | 392 | 30.4 |
9 | 北海道 | 美深町 | 402 | 30.5 |
10 | 大分県 | 豊後高田市 | 403 | 30.7 |
上位10位中9の自治体が東京都になります。小中高教員平均約690万に比べるとかなりの格差があります。また、50位内は東京都のほかに神奈川、埼玉、愛知、大阪など都市部のランクインが多いのが特徴的です。また、ワースト10の自治体は平均年齢が若いことも理由の一つにありますが、地方の町職員が多い傾向にあります。
※H30年4月1日地方公務員給与実態調査結果より算出